「希望をはこぶ人」を読了したので読書感想文。
本の内容
この本のメッセージは
- 広い視野に立って物事の見方を変えると、人生が明るい方向に進む
という事になると思います。フレーズだけ聞いても抽象的でピンとこないですね。
ジョーンズといういつもスーツケースを持った謎のじーさんが、「俺の人生はお先真っ暗だ」と思い悩んでいる人のところに忽然と現れて、「見落としている物事の見方」を教えることによって、人生を明るい方向へ進めるようになる、というエピソードからなるオムニバス形式の本です。
ジョーンズは「人が見落としている物を見つける特技」を持っているじーさんなのです。

- 自分の人生はもう終わった、と思っている若いホームレス①
- どうして相手は自分を愛してくれないのか?とお互い思っている離婚寸前の夫婦
- 不安から逃げられない超悲観的なサラリーマン
- 結婚相手の選び方に悩むギャル
- 年老いて人生のロスタイムを生きていると思っている婆さん
- 自分さえよければ良い、傲慢社長
- 自分の人生はもう終わった、と思っている若いホームレス②
という、不幸な人生を匂わせているキャラの元に、ジョーンズは登場して
「この世は老いも若きも男も女も、心のさみしい人ばかり、そんな皆さんの心のスキマをお埋め致します。いいえ、お金は一銭もいただきません。お客様が満足されたらそれが何よりの報酬でございます。さて、今日のお客様は…」

と言って回る、
わけではなく「君の物事の見方は凝り固まっているから、考え方を変えてごらん、さぁ僕を信じて」的な優しい言葉をかけてくれます。登場人物はすべからく弱っているのでその言葉をホイホイ信じた結果、「明るい未来」に歩き出せるようになるのです。
ジョーンズは街中の人の人生の方向転換を手伝ったあと、いつも持っているスーツケースを残して消えてしまいます。そのスーツケースに入っていたものとは・・。
感想文
「広い視野に立って物事の見方を変える」というフレーズを物語の中でどう読者の心に伝えるのか?という点に興味があって読みました。
この本はビジネス書では定番な「悩んでる人のところにある日すごいおっさんが現れて、新しい価値を教えてくれた結果、人生が良くなりかけたあたりでいなくなってしまう」パターンを採用しています。これは馴染みのある日本の漫画で言えば「ドラえもんシステム」に近く、現代人の妄想を形にしたとても感情移入しやすい枠組みといえそうです。
「どこでもドアがあればギリギリまで寝てられるのに」「もしもボックスがあれば、世界一のイケメン(or 美人)になって人生バラ色になれるのに」と誰でも考えたことがあるように、「ジョーンズが私のところに現れたら人生が良くなるだろうなぁ(でも来るわけないから自分で頑張るか・・)」と思わされてしまう仕組みに、自己啓発書との親和性が見て取れました。
ジョーンズのおもしろいところは、普通聞いたら屁理屈っぽいことも説得力を持たせられるウンチクをたくさん持っているところです。どんな屁理屈も畳み掛けるように論証できれば人を騙せるんじゃないか・・?と思ってしまいました。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」といいますが、ジョーンズは狙撃銃を連射して、全弾ヘッドショットを決められるレベルの手練なので標的は逃げ場なしです。
ジョーンズは若いホームレスには人生の長さを説明し、偉人の成功から学ぶことの大切さを教え、 高齢のおばあさんには人生が終わった後も精神は生き続ける不死性を説きつつ人生の短さを強調し、どんな小さな行動も他人に影響を与え続け伝播しそれが大きな成果をなすことがあると教えます。 本当に相手の立場を良く観察して、相手が受け取りやすいメッセージを選び、相手にあったアドバイスをしていくのが小気味良いです。よく「観察」するというのもジョーンズも得意技のうちのひとつです。
ひねくれた感想を書いているようですが、僕自身結構身につまされるものがあって、夢中で読んでしまいました。「生きるのが辛い」時代なのかなーなんて思うこともあるのですが、人間の歴史の中でいえばマンザラ悪くない時代なのかも・・と思い直したりすることもあります。でも自分が今辛いのは事実だったりしますよね。そういう時ジョーンズは向いている方向が違うだけだよ、と優しく教えてくれるのです。さらっと読めるので人生をピボットしたいけど、どっちを向けばいいかわからない人にオススメです。
人生辛いことが多いけどいつまでもクヨクヨしてないで、口笛でも吹いてさ、明るい方を見ようぜー♪。
































